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「スケールできるSalesforce組織」を目指すユーザベースの裏を支える伴走支援

ユーザベース様事例紹介アイキャッチ画像①

「経済情報の力で、誰もがビジネスを楽しめる世界をつくる。」をパーパスに掲げる株式会社ユーザベース。すべてのビジネスパーソンが有益な経済情報にアクセスできる情報インフラになることを目指して、経済情報プラットフォーム「スピーダ」、ソーシャル経済メディア「NewsPicks」を展開しています。

2023年4月に創業15周年を迎えたユーザベースは、M&Aや新規事業の創出を重ねて高成長を続けてきました。

株式会社リブルでは「Salesforceの伴走支援」でもご支援させていただきました。

高成長を続けるユーザベースを裏で支えるSalesforceにはどのような課題があったのか、そしてどのように進化していくのかなどについて詳しく伺いました。

メンバー紹介

株式会社ユーザベース IT Strategy Division
石川 藍(いしかわ あい)様

SIerにてSalesforceのSIに従事したのち、2020年11月に株式会社ユーザベースに入社。B2B SaaS System Teamのメンバーとして、Salesforce維持管理・販売管理システムのリプレースに従事。
2021年4月より現所属。ユーザベースグループ全体のBPRを担当するチームにて主にスピーダ事業の営業管理・販売管理領域およびコーポレート領域のシステム管理やスケールできるセールスシステムへの転換PJを担当。

株式会社リブル/代表取締役
上田真理子(うえだ まりこ)

東証一部上場 パーソルHDグループのパーソルプロセスアンドテクノロジーにて大企業向けのSalesforce導入・開発・保守運用に従事。とあるプロジェクトで何千万というコストをかけてSalesforceを導入したが、現場では一切使われなかった経験があり、より現場の業務改善に携わりたいという想いで独立。現在はBtoB SaaSを始めとしてBtoB系スタートアップ・中小企業を中心にご支援を行っている。

急成長・急拡大の裏では、ブラックボックス化していたSalesforce組織を運用していた時代も

上田:弊社でご支援をさせていただいたのは数年前からですよね。その当時の担当業務について改めて教えていただけますでしょうか。

石川:私は当時、ユーザベースのスピーダ事業でのシステム管理担当や業務オペレーションを業務サイドのメンバーと共に検討する業務をしていました。

具体的には、SaaS事業では販売管理システムとしてSalesforceを使用していましたので、アドミン(管理者)としてSalesforceの設定・開発をしたり、

また、プロダクトの新プランなどが登場した時にどのように販売をしていくかを業務サイドと一緒に考えて進めていくなどの業務が主ですね。

その際に、Salesforce側で新たな設定・開発が必要な際に、リブルさんにご相談しながら一緒に設定・開発などを行っていました。

上田:当時からM&Aなどの影響でSalesforce組織も複数存在していましたね。複数のSalesforce組織を運用していた当時の課題について改めてお聞かせいただけますでしょうか。

石川:そうですね。前提として弊社では取り扱うプロダクトごとにSalesforce組織が存在しています。

今回新プラン対象となったのが経済情報プラットフォームの「スピーダ 経済情報リサーチ」、スタートアップ情報プラットフォームの「スピーダ スタートアップ情報リサーチ」の販売管理をしているSalesforce組織です。その環境は2015年ごろから使用されている社内では比較的古いSalesforce組織なのですが、なにか新しいサービスプランを追加しようとすると、影響範囲が多岐にわたる。

そして、当初の構築や設計に関わった社員も不在の状況だったので、ブラックボックス化していて、迂闊に手を出せない。

しかしながら、会社としては新プランを販売することは決定事項なので「ブラックボックス化されている中でもなんとかしなければならない」ことが課題でした。

新プランの販売をきっかけに、これまでのブラックボックスを紐解く

上田:そこから課題に対してどのようなアプローチをされたかについて改めてお聞かせいただけますか。たしか、影響調査から始めさせていただいたかと思います。

石川:ブラックボックス化しているため、なにをどこから手をつけたらいいか全く分からなかったですね。

そんな中でリブルさんにご相談をさせていただき、まずはブラックボックスを紐解いていく作業から一緒に始めたと記憶しています。

上田:そうですよね。「今使っているプランの項目が、これ」「その使用場所は、これ」といった感じで、ひとつひとつ洗い出した記憶があります。

石川:そうですよね(笑)紐解いていったら超大作みたいなものが出来上がりましたね。「こんなところにも影響があったんだ」「これを追加する必要があったんだ」とか。

上田:他のお客様でもプラン追加に伴うSalesforce改修のご相談をいただくことありますが、私が記憶する中でも御社のスピーダ スタートアップ情報リサーチでの設定調査は結構骨が折れましたね(笑)

石川:いままでは、大きな改修を加えなくてもいいように騙し騙しでSalesforce運用をしていましたが、その当時は、研究者等に向けたスピーダ R&D分析の新プランが登場したタイミングでした。サービスの売り方などをガラッと変えるに伴い、いよいよブラックボックスの解明をしなければならないタイミングだなという状況で。リブルさんには大変助けていただきました。

上田:確か売り方を変えるにあたって、契約体系が変わったんですよね。

石川:以前は「同時アクセス数単位」での契約体系でしたね。そこから「ユーザー数単位」に切り替わりました。まだ一部のお客様では旧プランである「同時アクセス数単位」も残っていますが、現在は「ユーザー数単位」が基本になります。

1ユーザーあたり何円、という価格設定を行うのが初めてだったので、それに伴う改修が大変でしたね。

上田:取引先単位での契約状況の見える化もしていましたよね。

石川:契約は部署単位なのですが、取引先単位で特別値引きをしたりするので、そのために全体で何ユーザー契約あるのか、の管理をしていましたね。

秋本:ユーザー数ごとに適正価格を見るためにもしていますね。

ビジネスのスピードを損ねないリブルの支援

上田:商品から商談商品に積み上げて、そこから商談、取引先にユーザー数を積み上げて・・・という複雑な設定をしましたね。

その際に、商談項目が多すぎて削除できる項目がどれかを調査するのも一緒に対応させていただきましたね。

秋本:いまでも四半期に1回程度していますね(笑)

石川:そうですね。2015年から使っているSalesforce組織なので、今も定期的に項目削除しますね。でないとメンテナンスが間に合わなくなってしまうのです。

上田:すごいですよね。それだけ年数を重ねていると、改修のたびに調査が必要になってくのに、今でもユーザベースさんのビジネススピードについていけているのが素晴らしいなと思います。

秋本:まだまだこれからですよ。

上田:プロジェクトを通じて、苦労された点はありましたか。

石川:解明は大変でしたが、リブルさんのおかげで解明できたので。大変は大変でしたが、そこまで大きな苦労は無かったかなと思います。上田さんありがとうございました(笑)

上田:たしか、本番リリースの直前でステージング環境上で担当者からフィードバックをいただいて、そのフィードバック内容がどこの設定に影響をするのか、の調査が大変だったと記憶しています(笑)

石川:「いつ売りたいから」の販売スケジュールが先に決まることが多いので、いつもギリギリのスケジュールで改修してる気がしますね(笑)

でもリブルさんが居なかったらどうやってやっていたのか想像つかないですね。

秋本:上田さんが居たから苦労しなかったですね。当時、リブルさんにSalesforce項目を紐解いてもらった時の資料は今もめちゃくちゃ活用していますよ。

上田:そうなんですか。

秋本:あれで網羅性をある程度見れるので今も助かってます。

上田:弊社に依頼して良かったなと思う点があればお聞かせいただけますでしょうか。

石川:スピーダ R&D分析プランの際は、その当時詳細が決まりきってない「やわらかい段階」から一緒に併走していただいて設計ができましたね。

決まってから動くよりも、早めに走り出せたのでギリギリのスケジュールでも間に合ったと思っています。

スピード感を合わせていただけたのは嬉しかったです。

上田:よかったです、ありがとうございます。たしか、7月くらいに調査して8月実装、9月リリースというスケジュールだったと思います。

石川:当時まだふわっと「まだここまでしか決まってないんですけど相談させてください」から始めましたね。

上田:そうですよね。ユーザー数で管理するかどうかについても途中で決まりましたね。

石川:「ユーザー数で管理したいが、でもこの部分は詳細決まってない」とかの状態から一緒に動いてもらえたのでとても心強かったですね。

今後のスケールにも耐えられるSalesforce組織を目指して

上田:嬉しいです、ありがとうございます。今後の展望や課題についてもお聞かせいただけますでしょうか。

石川:2015年から使っているSalesforce環境ということもあり、このまま同じ環境を今後も使い続けていくのには限界があると感じています。

そのために最近、新しいSalesforce環境を作り始めていますが、これまでのSalesforce組織の良いところと、今後もっとこうしていきたいという要望部分の「良いとこ取り」して新しい仕組み、プロセス作りをしていきたいと考えています。

これまでの知見、経験を活かして最適なSalesforce組織を作るのが、今後の展望です。

将来的にはスピーダ 経済情報リサーチとスピーダ 顧客企業分析などを含む、SaaS型でのビジネスモデルのサービスについては1つのSalesforce組織に統合できたらと考えています。

プラン変更などの柔軟に行えるような「スケール(拡大・変化に対応できる)できる環境」を目指しています。請求管理機能をどうしていくか、など1からアーキテクチャを考えて作っている最中です。

武藤:セット販売などもしているので、Salesforceでどう管理するかも悩み悩み進めています。

上田:そうなんですね。スピード早くSalesforce組織の最適化を行うユーザベースさんのご支援を通じて、私もいつも勉強させていただいています。改めて色々とお話しを伺えてよかったです。本日はお忙しいところありがとうございました。